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「労働安全衛生法施工令」と「石綿障害予防規則」の改正内容

厚生労働省が9月1日施行を進める、「労働安全衛生法施工令」と「石綿障害予防規則」の改正内容について、厚生労働省のホームページより抜粋しました。

−改正内容−
1. 労働安全衛生法施行令
 ア 石綿製造等の禁止
  ・ アスベスト製品の製造、輸入、譲渡、提供又は使用を禁止すること。
  ・ 新設の設備については、アスベスト製品の使用を認めない。
  ・ ただし、国民の安全の確保上、国内既存の化学工業施設、鉄鋼業施設、非鉄金属製造業施設の設備の接合部分に用いられる
   ガスケット又はパッキンであって、温度、圧力等が一定以上の条件下で使用するもの等については、例外的に製造等を認める。
   (ポジティブリスト化)
 イ 規制対象範囲の拡大
  規制の対象となる「石綿を含有する製剤その他の物」について、石綿をその質量の「1%を超えて含有するもの」から
  「0.1%を超えて含有するもの」とする。

2.石綿障害予防規則
 <追加と改正点>
 ア 封じ込め、囲い込み作業等に係わる措置
 イ 天井裏・エレベータの昇降路等における臨時作業に係わる措置
 ウ 使用された工具等の付着物の除去について
 エ 記録の保存期間の延長(30年から40年へ変更)

 <内容>
 ア 吹付けられた石綿等の封じ込め、囲い込み等の作業に係わる措置
  1) 吹付けられた石綿等の封じ込め、囲い込み等の作業であっても、粉じんを発散させ、労働者がばく露する恐れがある場合は、
    事前調査・作業計画の作成・作業の届出・特別教育等を行わなければならない。
  2) 1)における作業で石綿等に薬剤を吹付ける封じ込めの作業、石綿等を吹付けられた天井に吊りボルトを取り付ける囲い込みの作業等
    については、作業場所を隔離しなければならない。
  3) 1)における作業で、2)以外の作業は、作業場所に当該作業に従事する労働者以外の立入を禁止し、その旨を見やすい箇所に表示しな
   ければならない。
  4) 1)における作業に労働者を従事させるときは、石綿等を湿潤な状態にし、労働者に呼吸用保護具及び作業衣又は保護衣を使用させな
   ければならない。

 イ 天井裏、エレベーターの昇降路等における臨時の作業に係る措置
   通常労働者が立ち入らない場所における臨時の作業(設備の点検・補修等の作業、清掃作業等)を行う場合において、吹付けられた
   石綿等の損傷、劣化等によりその粉じんを飛散させ、労働者がばく露するおそれがあるときは、労働者に呼吸用保護具及び保護衣
   または作業衣を使用させる。

 ウ 使用された工具等の付着物の除去
   石綿等を取り扱う作業に使用した足場、器具、工具等について、付着したものを除去した後でなければ、作業場外に持ち出しては
   ならない。

 エ 記録の保存期間の延長
  作業記録、健康診断の結果の記録について、石綿等を取り扱う作業場において当該労働者が常時当該作業に従事しないこととなった
  日から40年間保存するとともに、作業環境測定の結果及びその評価の記録についても、40年間保存するものとする。



アスベスト含有建材と製造時期

 建築物の補修・解体工事等において、労働安全衛生法(石綿障害予防規則)、大気汚染防止法、廃棄物処理法を遵守し、アスベストを適切に取り扱うためには、建築物に使用されているアスベスト含有建材を識別することが必要です。
含有製品の有無は、建材種別・製造時期及び目視、設計図書等で調査し、判断できない場合は、サンプリングをして分析します。


アスベスト含有建材と製造時期   (2005年(社)建設業協会調査)
石綿障害
予防規則区分
種類(施工部位) 建材の種類 製造時期







吹付け材
レベル1
(著しく発じん量の多い製品)
吹付け材  吹付け石綿 〜1975
 石綿含有吹付けロックウール
 (乾式・半湿式)
〜1987
 石綿含有吹付け
 ロックウール(湿式)
〜1989
 石綿含有パーライト吹付け 〜1989
 石綿含有バーミキュライト吹付け
 (ひる石)
〜1988
保温材等
レベル2
(比重が小さく、発じんしやすい製品)
耐火被覆材
(S造の梁・柱等)
 石綿含有けい酸カルシウム板第2種 〜1997
断熱材  屋根用折版石綿断熱材 〜1989
 煙突石綿断熱材 〜2004
保温材
(配管・エルボ・ボイラー等)
 石綿・けいそう土・パーライト
 石綿けい酸カルシウム等各種保温材
〜1980








その他石綿含有建材
(形成板等)
レベル3
(発じん性の比較的低い製品)
内装材
(壁・天井)
 フレキシブルボード・太平板等 〜2004
 けい酸カルシウム板第1種 〜1997
 岩綿吸音板 1964〜1987
 石膏ボード 1970〜2000
耐火間仕切り  けい酸カルシウム板第1種 〜1997
床材  ビニル床タイル 〜1987
 フロアシート(長尺塩ビシート等) 〜1990
 押出し成形品 〜2004
外装材
(外壁・軒天)
 窯業系サイディング 〜2004
 押出し成形セメント板 〜2004
 フレキシブルボード・石綿セメント板 〜2004
 スレート波板 〜2004
 けい酸カルシウム板第1種 〜1997
屋根材  住宅化粧用スレート 〜2004
煙突材  石綿セメント円筒 〜2004
設備配管  耐火二層管 〜1998
設備機器部品  ガスケット・パッキン 〜2006

<参考資料>国土交通省のホームページ「目で見るアスベスト建材」

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/01/010331_7_.html



アスベストの輸入状況

国内のアスベストのほとんどは輸入されています。下図(クリックすると拡大できます)にあるように、1960年代に急激に増加し、1974年の35万トンを最高に1970年代及び1980年代は25万トン〜35万トンの高水準で推移してきました。その大部分(80%以上)は建材に使用されたと言われています。特に、断熱材・耐火被覆材・吸音断熱材・鉄骨造の柱・はり・ビルの機械室などに多く使用されています。1995年に青石綿(クロシドライト)・茶石綿(アモサイト)の製造等禁止、2004年に白石綿(クリソタイル)等の製造原則禁止(労働安全衛生法)により、輸入は急激に減少しました。なお、2005年の輸入量は110トンです。
今後、70年代以降に建築された建物が寿命と共に解体やリフォームされることになり、そのピークは2020年〜40年頃に来ると予想されています。

▼クリックすると拡大したグラフをご覧いただけます。



アスベストによる健康被害

アスベストの直径は極めて細いため、皮膚に突き刺さったり呼吸をすることで肺に刺さったりします。繊維は細胞を刺激し続け、石綿肺・肺がん・悪性中皮腫などを発症します。

1、石綿肺
職業上アスベストの粉じんを10年以上吸入した労働者に起こるじん肺の一種です。吸入したアスベストが細気管支や肺胞に刺激を与え、炎症を起こし、次第に線維化を来たし、肺機能障害を起こします。
これは、アスベスト暴露が中止した後も進行し最終的には呼吸不全で死亡する場合があります。

2、肺がん
肺胞内に取り込まれた石綿繊維の物理的刺激により、肺がんが発生するといわれ、アスベスト暴露から約15〜40年の潜伏期間があります。アスベストに起因する肺がんには発生部位・病理組織型に特徴がありませんが、石綿肺を発症していることや、胸膜肥厚、喀痰中のアスベスト小体、肺の持続的捻髪音などから診断されます。

3、悪性中皮腫
肺を取り囲む胸膜や、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜等にできる悪性腫瘍のこと。アスベスト暴露から約30〜50年の長い潜伏期間の後に発症します。悪性中皮腫の発生は、アスベストの種類によって差があることが知られ、クロシドライトが最も危険性が高く、次にアモサイトと角閃石系の暴露で多く発症すると言われています。



アスベストとは?

アスベスト(石綿)(せきめん)は繊維状の結晶を有する天然鉱物です。代表的なものは、角閃石系のクロシドライト(青石綿)・アモサイト(茶石綿)、蛇紋石系のクリソタイル(白石綿)などがあります。アスベストの生産量は、世界全体(1981年)で472.1トンで、その約90%以上がクリソタイルです。クロシドライト・アモサイトは3.5%と3.0%を占めています。鉱物結晶の直径は、0.02〜0.04ミクロン(髪の毛の1/5000)と細く、肉眼では見ることができません。
アスベストの語源は、火の中に入れても燃えない繊維状物質で、ギリシャ語で不燃・不滅を意味する語に由来し、多くの優れた性質があります。

特長
1、不燃性・耐熱性がある 2、電気を通さない 3、酸・アルカリに強い 4、腐らず変質・磨耗しにくい 5、柔軟であるため、紡績が可能








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